vol.217 資金収支と決算書
こんにちは。
全米オープンでタイガーウッズが奇跡的な逆転優勝を果たしました。膝の手術後の出場にも関わらず優勝という結果を残し、しかもこの試合の結果、かえって膝を悪化させ、今年いっぱいはトーナメント出場ができない状況になってしまいました。けがを押しての出場に対しマスコミの反応は様々ですが、自分自身に逃げ場を与えず、その場その場で全力を尽くすという姿勢は、我々中小企業の経営者にとっても強烈な示唆を与えてくれます。地道な努力と不屈の精神がよき結果を生むのですね。
さて、今回は「資金収支と決算書」について書かせていただきます。
損益計算書と資金の入出金の関係は上図のようになりますが、実際に残るお金と損益計算書の利益額とは一致しませんよね。
一致しない理由としては・・・
- 売上(仕入、経費も原則的には同じ)は納品時に計上するが、入出金は締め後の決済のため、入出金がずれる、あるいは実質的な貸し倒れ等がある
- 期首、期末の棚卸の支払時期のずれ、経費であっても出金のない減価償却費
- 固定資産の取得や借入金の返済の元金部分など、損益計算書には記載されず貸借対照表に記載されるものの存在・・・・
その他いろいろな側面により、利益と残った資金には差異が生じます。従って損益計算書により生み出された利益が、きちんと会社に残っているかどうかを知るためには貸借対照表が必要になり、その資金の動きを詳しく表すためにキャッシュフロー計算書が必要になるのです。
たとえば売掛金が前年同月より100万円増えたということは、売上があったにもかかわらず未入金の売掛金が増えたということですから、利益より実際の資金が100万円減った状態となります。この関係を資金収支で見ることで、実際の資金の多寡を判断していくのです。大きな流れで見ると、わかりやすくなります。
2008年6月20日号(217号)
文中、1. 2. 3. の部分の原文は、それぞれ〇付きの数字です。
このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。