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あけぼの・経営ニュース

vol.373 役員への貸付金の利率

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 今年の日本経済は、どのような展開になるのでしょうか?年後半に向けて株価も2万円台になるという予想もありますが、経済評論家の景気予想は、当たったことがまずありません。中国やアメリカの景気動向等によって大きく影響を受けると思いますが、好景気の波に乗って、日本経済が大きく飛躍することを願うばかりです。

 さて、今回は「役員への貸付金の利率」について書かせていただきます。

 何らかの事情で、法人がその役員に対しお金を貸し付けているケースがあります。この場合、「認定利息」と言いまして、法人は一定額以上の利息をその役員から受け取らなければなりません。では、この利率は何%が良いのでしょうか?

 まず現状では、その利率が年1.9%以上であれば、原則、給与課税されません。しかし、1.9%に満たない利率で貸付けを行った場合、次の1.から3.を除き、1.9%の利率と実際の貸付利率との差額が給与として課税されます。

  1. 災害、病気などで臨時に多額の生活資金が必要となった役員に、合理的と認められる金額や返済期間で金銭を貸し付ける場合
  2. 会社における借入金の平均調達金利など合理的と認められる貸付利率を定め、この利率によって役員に対して金銭を貸し付ける場合
  3. 1.9%の利率と貸し付けている利率との差額金額が1年間で5,000円以下である場合

 ただし、その貸付が他から(つまり銀行とかですね)借り入れて貸し付けたものであるときは、1.9%ではなく、その銀行等からの借入金の利率により計算します。

 これは、もし法人の役員が低利率で借入れを行うと、役員として経済的利益を受けているので実質的には「給与」と同じ、だということです。従って法人側では仮に未収であっても差額を収入計上しなければなりませんし、一方、役員個人側では給与課税され、その分所得税等は増えることになります。

 ちなみに「役員借入金」が決算書上にあると、会社の資金繰りを助けるために、役員が個人的に会社にお金を貸し付けているので、銀行も大きな問題とは考えませんが、「役員貸付金」があると、銀行は問題視します。なぜなら役員が会社のお金を使い込んでいるか、或いは銀行からの借入金を、借入目的以外に使用している使途違反かを疑うからです。役員貸付金は、なるべく早く会社に返済することが大事です。

2015年1月5日号(373号)

 文中、1. 2. 3. の部分の原文は、それぞれ○付きの数字です。

 このページは、佐藤典哉税理士事務所・株式会社あけぼの会計様が発行されている『あけぼの・経営ニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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