vol.385 マイナンバーはどうする?
ここ茨城県筑西市では、昨日からお祭りが始まりました。短い夏を楽しみましょう。
さて、会計ソフトメーカーやコンサルティング会社が主催するマイナンバーセミナーが活況です。今年の10月には番号が配布されますからあと3カ月しかないわけで、皆さまもどうしたら良いのかわからない、というのが本音だろうと思います。
現在のマイナンバー騒ぎには、新たなソフト販売や顧客拡大につなげたいという、メーカー側のミニバブル待望論から来ている面も否めません。ただ、情報漏えい1件から罰則があるとか、取り扱いが極めて厳格に規制されているとかで、事業者側として不安になることは当然だろうと思います。
とりあえず、ポイントとしては、
- 事業者(法人や個人事業主ですね)は、社会保障と税金に限って、従業員等に個人番号の提供を求めることができる。
- その際には、本人確認(免許証の提示等)が必要であるが、従業員等の扶養親族等については、その従業員等が(自分の子供とかに対してですよ)本人確認を行う。
- 個人番号が必要になるのは、事業者の場合、源泉徴収票、支払調書、健康保険・厚生年金等の資格取得等の手続きなど。
- 事業者は、その事務の必要がなくなった場合や保存期間を過ぎた場合には、個人情報を削除(個人番号のマスキングでも可)または書類を廃棄しなければならない。証拠種類の保存期間とは異なるので、別個に削除または廃棄が必要ということ。
- 事業者は、会計事務所や社労士事務所に業務を委託する場合、その会計事務所や社労士事務所の安全管理措置を(事業者が)監督しなければならず、その会計事務所や社労士事務所が、さらにその先の企業に再委託する場合は、事業者の許諾が必要となる。つまり、事業者が顧問の税理士や社労士やその再委託先を監督する。
- 上記5の委託をするためには契約書を作成し、その内容に、漏えい事案等が発生した場合の委託先の責任や、委託先の従業者(会計事務所の職員などですね)に対する監督、教育等の順守状況について報告を求める規定等を盛り込む。
個人番号がわからない従業員等さんも少なからず出てくると思われますが、そうすると年末調整などは出来ません。また会計事務所には税理士法上の守秘義務も課されていますので、事業者から求められる「報告」に対しても極めて微妙です。うーん難しい。
2015年7月20日号(385号)
このページは、佐藤典哉税理士事務所・株式会社あけぼの会計様が発行されている『あけぼの・経営ニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。