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佐藤会計タックスニュース

vol.310 法人がカード等で払った交際費等の支出の時期

 こんにちは。

 今年は春一番がなかったものの、その後の「爆弾低気圧」とかの風雨はすさまじいものがありました。今週末には桜も見ごろを迎えそうですので、このまま良い天気が続いてくれるといいですね。

 さて、今回はクレジットカードやツケで支払った交際費の支出の時期について書かせていただきます。

 交際費等は、個人事業であれば全額が必要経費として認められますが、法人については原則として全額が損金に算入できません。これはバブル華やかなりし頃の企業の交際費天国の時代の名残ですが、資本金1億円以下の中小法人についてはそれではかわいそうなので、600万円までは90%を経費として認めようということになっています。

 この交際費については、クレジットカードや行きつけのお店でのいわゆるツケ払いなど、翌月以降にまとめて請求されることも多いかと思います。また、得意先を旅行に招待する際には、旅行に行く前に旅行代理店に前払いすることも一般的でしょう。

 このように支払と実際に接待行為を行った時期が異なる場合、交際費等として損金を計上する時期はいつになるのでしょうか。

 税務上、各事業年度において支出する交際費等とは、交際費等の支出の事実があったものをいい、支出の事実とは、接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のあったときをいうとされています(税法はややこしい言い方が多いですね)。

 従って、クレジットカードやいわゆるツケ払いなどによる接待等の費用の額は、その費用の支払日等の時点ではなく、現実に接待行為が行われた時点でカウントします。接待のあった日時は当期だけれど、支払った日時が翌期になってしまった場合などでは、当期に未払金として交際費等を計上しておく必要があるわけです。ツケ払いの請求書が決算日までに来ていなかったり、そもそも請求額がわからないため当期で未払金として経理処理していないこともあり得ます。また、クレジットカードについても、カード会社への支払い時ではなく、実際に購入したり、サービスを受けた時に経費としてカウントしますので、たとえば多額であれば決算時にはETCカードなどの未払金計上も忘れないようにしなければなりません。

 毎月の月次決算書で利益や資金の状況を把握する際は、大きな目で全体を確認していくことが経営にとってのポイントですので特に気にすることはありませんが、決算においては別です。面倒ですが、後から税務署に指摘を受けるのはもっと面倒な話になります。きちんと処理しておきましょう。

2012年4月5日号(310号)

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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