筑西市ナビ「ちくナビ!」

筑西市ナビ 「ちくナビ!」

佐藤会計タックスニュース

vol.323 円滑化法が終わります・・・

 こんにちは。

 寒くなりましたね。つい先日までは残暑が厳しく、我慢できないほどの暑さでしたが、あっという間に紅葉の季節になってしまいました。我が事務所も先月まではハロウィンのディスプレイでしたが、今月からはクリスマスツリーが登場いたしました。今年もあと2か月。年内にやるべき経営課題を再度意識し、もうひと頑張りしていきましょう。

 さて、来年の3月にいわゆる「中小企業金融円滑化法」が終了いたします。

 これは、ご存じのように、中小企業が借入金の返済猶予、すなわち月々の返済金額の減額とか据え置きとかを金融機関に申し入れた場合、金融機関は原則的にその申し入れを受けなければならないというもので、現在、返済猶予を受けている中小企業の件数は、平成24年3月末実績で289万件、返済猶予額は79兆円に達している、ともいわれております。

 また、この返済猶予を受けている企業のかなりの割合が、結果としては業績が回復せず、倒産までの引き延ばしの「時間」を与えられたにすぎなかった、とも言われています。国も来年4月を挟んでいきなり中小企業の倒産が増えても困るので、何とかソフトランディングできないかといろいろ知恵を絞っているようです。また銀行側でも金融庁の指導で「正常先」、「要注意先」としてきた企業が、4月以後「要管理先」、「破綻懸念先」となってしまうと、15%から60%くらいまでの貸倒引当金を積まなければならず、経営上も大きな重しになってきます。イメージとしては、1000万円を貸し付けたが、「破綻懸念先」になった途端、その貸付先の倒産に備え銀行側が新たに600万円を用意しなければならなくなる、といったところです。したがって、経営内容の悪い中小企業は、真剣に経営改善策を考え実行していかないと、銀行側の対応も大変厳しいものになりえます。自社の経営を良くするために何をすべきか、そして何ができるかを考え、具体的に実行に移せるかどうかが大きな分かれ目です。もちろん、絵に描いた餅ではダメで、その結果も問われますし、経営者個人も身を切る覚悟が必要になります。

 まずは、毎月の黒字化を目指すこと、そして同時に手元のお金も増やすことです。実は会社の「財務」にはここを抑えれば出血が減るとか、利益が増えるとかのポイントがあります。また利益とお金は連動しませんので、資金の動きの原因と結果を経営者自らが知り、お金を残すポイントを熟知する必要があります。

 経営はある意味「科学と情熱」です。お金という数字の動きの理由を知り、情熱と気迫をもって数字を良くする行動をとりましょう。出来ない弁解を口にすべきではありません。良き行動は良き結果をもたらします。信じて邁進いたしましょう。

2012年11月05日号(323号)

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

このページのトップに戻る