vol.288 東日本大震災復興特別貸付
こんにちは。
福島原発1号機のメルトダウンが判明し、さらには2号機、3号機も同様の可能性が高いということで、まだまだ予断を許さない状態が続いています。農漁業については東電に対する損害賠償が始まりましたが、我々中小企業が受けた損害に対する補償はほとんど手当されていないのが実情です。さまざまな緊急融資制度(うまく機能していない例が多数見られましたが、徐々に効果を出しつつあるようです)は損害を補償するものではなく、当面の資金を確保して経営を立て直して行く性質のものですので、損害賠償については業界団体などを通じて行動していくということになるのでしょうか。
さて、今回は新たに日本政策金融公庫から緊急融資が発表されましたので、概要をご紹介したいと存じます。
この中小・小規模企業向け「東日本大震災復興特別貸付」は中小・小規模企業向けに5月23日(月)から取扱いを開始するもので、既存の複数の融資制度を一本化し、融資限度額や金利引き下げ等を大幅に拡充したものです。とりわけ、直接・間接的に被害を受けた場合は「別枠」扱いとし、また風評被害等により資金繰りが悪化している場合も対象とされています。
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- 別枠の拡大
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直接被害及び間接被害を受けた場合の融資限度額(別枠)を倍増。
国民生活事業:3千万円→6千万円、中小企業事業:1.5億円→3億円
※市町村等が発行する罹災証明等が必要
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- 融資期間の延長
- 直接被害者は10年以内→20年以内。間接被害者は10年以内→15年以内
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- 据置期間の延長
- 直接被害者は2年以内→5年以内。間接被害者は2年以内→3年以内
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- 金利の引き下げ
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直接被害者は貸付後3年間0.9%→1.4%引下げ。間接被害者は貸付後3年間0.9%→最大1.4%引き下げ。
※直接被害者は、国民生活事業3千万円、中小企業事業1億円の範囲内、間接被害者は、両事業とも3千万円の範囲内。
2011年5月20日号(288号)
このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。