vol.294 粗利総額達成グラフ
こんにちは。
アメリカの財政破たんは回避されましたが、アメリカ国債の格付けダウンによる第二のリーマンショックの噂が出ています。我々中小企業にとっては大きな試練となりかねませんので、注意深く経過を見ていきたいと思います。
さて、今回は粗利総額達成グラフについて書かせていただきます。
以前このニュースで書かせていただきましたが、損益計算書の構造は以下の通りです。
PQ 1000 | VQ300 | |
MQ 700 | F600 | |
G100 |
- PQ=売上高
- VQ=変動費
- MQ=粗利総額
- F=固定費
- G=利益
粗利総額MQ(700)が固定費F(600)を超えれば利益G(100)が出るわけですが、では実際に利益を出すためにはどうしたら良いでしょうか?
一つは売上PQを上げるための行動を戦略的に行うことです。
売上の算式中、数量Qは(既存顧客数-減小数-スリープ顧客数)×リピート率+新規顧客数、という意味です。したがって既存顧客に3%でもリピート率を上げてもらえれば効果は大きいことがわかります。また単価Pについてもそれぞれ単品ごとの粗利益額は異なるわけですから、粗利単価の高いものを買っていただける戦略も大事です。
利益を出すためのもう一つの方法として、粗利総額達成グラフを社内に掲示し、達成状況を日々全社員で確認することをお薦めします。
これは毎日の粗利総額がいつ固定費を超えて純粋な利益となるかを書きこむグラフで、誰にでもわかりやすいことと、日々のモチベーションアップに役立つ特徴があります。
このグラフを書くことで実際の粗利総額が目標に何日目に達成するかが明白となり、同時に売上ではなく粗利益額中心の発想に転換できます。
2011年8月5日号(294号)
このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。