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佐藤会計タックスニュース

vol.295 経営計画と月次決算

 こんにちは。

 ここ何日かは涼しいですね。このまま秋へ突入ということはないとは思いますが、寒暖の差があまりに大きいと体調を崩してしまいそうです。気をつけたいものですね。

 さて、企業経営にあたって、月次決算が自社の業績を把握する上で重要である、ということに皆様異論はないと思います。一方経営計画書については、そんなに大きな会社ではないから必要ないとか、計画通りに行くわけないからいらない、と考える方も少なからずいらっしゃるようです。また仮に作成しても、予算だけの数値合わせというか、社長様の気持ちや希望が入っていないものが多いのも現状です。

 しかし、日々の作業の繰り返しで自社の経営が順調に推移できるほど現在は甘くはありません。また社員さんも自分の勤める会社の将来がわからなければ高いモチベーションを持つこともできませんし、本来持っている自分の能力を発揮する気持にもなれないと思います。

 経営計画は、社長様が自社をこうしたい、5年後、10年後にはこうなりたい、だから今これを全社員でやりましょう、といういわば「決意表明」です。利益は自社の存続費用であり、その利益がなければ自社は消えてなくなってしまいます。その利益をつかみ取るために、経営者として何を決定し、実行させていくかということ、すなわち自社の経営方針を明らかにすることが経営者の大切な役割だと思うのです。利益責任は社長一人にあり、経営計画に沿って業務を行う実施責任は社員にあります。

 一方、社長様が決めた経営計画が、毎月どれだけずれているかを確認する作業が月次決算です。したがって月次決算に細かな数字は要りません。大事なことはスピードとシンプルさです。社長様がいかに早く前月の数字を把握できるかが重要であり、[1]変動損益計算書による前月の業績把握、[2]儲けたお金はどこへ行ったか、[3]貸借対照表では何が増え、何が減り、その結果財務内容は良くなったか、悪くなったか、等を大きな数字で、いち早く知る必要があります。月次決算は足の速い生鮮食品と同じであり、日がたって鮮度が落ちればいかなる高級品であっても生ゴミ同様です。

 経営計画という経営と結果数値の「ものさし」で、自社の現状を確認し、実行計画を「戦略的に」練り上げて行きましょう。実績が計画に達成しなくともかまいません。簡単に達成できるような計画はむしろダメで、達成しないからこそ、どうしたら良いかを考えるのです。

 ちなみに経営計画に経営者の魂を込めるには、コンピューター出力ではなく、自ら鉛筆と電卓で作り上げることをお薦めします。もちろん当事務所も一緒に作ります。

2011年8月20日号(295号)

 文中、[1]、[2]、[3]、の部分の原文は、それぞれ○付きの数字です。

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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