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佐藤会計タックスニュース

vol.261 4月からの消費税の改正

 こんにちは。

 今年の4月は雪が降ったり、凍てつくような日が多かったりと、本当に寒い春でしたね。中国では大地震、ヨーロッパではアイスランドの火山灰被害など、大きな災害も続いています。早くいつものような「ほんわかした」春が来るといいですね。

 さて、今年4月1日から消費税が改正になり、ひとつの節税策に網がかけられました。「網」の仕組みは複雑ですので、簡単に書かせていただきます。

 まず大変おおざっぱな言い方をすれば、売上とともにお客様から頂いた消費税から、仕入れなどとともに支払った消費税を差し引いた残額を納めるのが消費税の基本です。また簡易課税という制度もあり、これは売上に伴いもらった消費税のうち業種ごとに決めた割合を控除した残額を納めるというものです。いずれにしても「もらった」-「払った」=「納税額」といったイメージでしょうか?

 ところでこの「もらった」分ですが、特定のものについては消費税がかかりません。たとえば埋葬や出産、学校教育、住宅家賃などに係るものは、消費税の課税対象にするのは適当でないとして、「非課税」とされています。従ってアパートを建てて家賃を貰っても、この貰った家賃に消費税はかかりません。一方アパートを建てた際には、(住居用とはいえ)通常の建築費用として当然消費税は支払っていますので、仮にその年の収入がアパート家賃しかなかった人の消費税の計算は、アパート建設で支払った消費税がまるまるマイナス、すなわち還付という可能性が出てきます。税法はこういったことがないように、アパート家賃収入は「非課税売上」であるため、それに伴う経費は「非課税売上に伴う課税仕入れ」として控除できないように規定されています。

 ところが、その方がアパート家賃のほかに何か商売をされていて消費税の課税売上がある場合には、このアパート建築に係る消費税は「課税・非課税売上に係る共通仕入」となり、課税売上と非課税売上の割合で控除できるようになります。ここで仮に控除しきれない金額がある場合には、その金額は税務署から還付されます。

 実はこの課税売上の中身を自動販売機売上などとし、かつ消費税の課税期間の短縮を届け出ることによって、アパート建築に係る消費税を全額還付させることが(合法的に)可能でした。アパート1棟でも5千万円くらいかかりますから、その5%の250万円がそっくり還付になるのですからたまりません。

 今回の税法改正によって、一度この方法をとると3年間は免税業者になることや簡易課税をとることが出来なくなり、この方法は大きく効果を削がれることになりました。「租税負担の公平」のためには良いことだと思います。

2010年4月20日号(261号)

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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