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佐藤会計タックスニュース

vol.267 社員教育用の教材費は給与課税?

 こんにちは。

 いやー暑いですね。ひと夏の間に何日か強烈に暑い日がありますが、今がその時期なんでしょうか?水分補給を怠らずに、休むべき時には休むことも必要ですね。

 さて、今回は「社員教育用の教材費が給与になるかどうか」について書かせていただきます。

【質問】

 当社は、このたび社員教育のためのプログラム及び教材を購入しました。 教材の内容は、社員のモチベーションアップのためのCDやテキストなどで、対象となる従業員は全社員で、研修期間は約4ヶ月間です。

 このプログラムの目的は、従業員の職務に直接必要な技術の習得ではありませんが、従業員個々人のモチベーションを上げ、ひいては会社の生産性の向上を目指すことにあります。 教材の購入費用は一人当たり約70万円で、対象社員が5名ですので計350万円ほどです。この費用は従業員に対する給与になるのでしょうか。

【回答】

 所得税法上、学資に充てるため給付される金品は、給与等の対価の性質を有するものを除き非課税とされています。使用者が使用人のために負担する学資金は、雇用契約等に基づくものであり、給与等の対価の性質を有することから原則として給与所得とされますが、次のような場合には給与所得とされません。

  1. 使用者が業務遂行上の必要に基づき、役員、使用人の職務に直接必要な技術、知識を習得させたり、又は免許、資格を取得させるために研修会、講習会等へ出席させる費用等で、適正な額であるもの。
  2. 使用者が使用人に対して学校教育法の学校(大学及び高等専門学校を除く。)における学費に充てるための金品で、適正な額であるもの。ただし、役員、又は使用者である個人の親族のみを対象とする場合は除かれます。

 この質問の場合は、使用人個々のモチベーションをあげることを目的とし、職務に直接必要な技術、知識を習得させるものではないこと、及び費用も1人当たり約70万円と高額であることから、使用人に対する経済的利益として給与とされるものと考えられます。会社の損金にはなりますが、支給される側には所得税が課されるということですね。

 給与とされない場合の要件は、その研修が1.使用者の業務遂行上必要なものであること、又は2.従業員の職務の遂行と密接に関連するものであることです。研修の目的及び内容を確認し、給与とされる場合は社員さんに説明しておきましょう。

2010年7月20日号(267号)

 文中、1.2.の部分の原文は、それぞれ○付きの数字です。

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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