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佐藤会計タックスニュース

vol.268 現金残高はあっていますか?

 こんにちは。

 今日は広島に原爆が投下された日ですね。悲惨な戦争によってもたらされた悲劇が、徐々に人々から忘れ去られ、今ではアメリカと戦争をしたことさえ知らない若い人もいると聞きます。戦争体験を語り継ぐことも大切ですね。

 さて、今回は現金管理について書かせていただきます。

 会社には日々様々な取引がありますが、もっとも誤りやすく、かつ不正が発生しやすいものに現金取引があります。

 現金取引は、領収証や入金票などの証拠書類の存在によって、実際に「その取引が存在した」ことが証明されます。従ってこれらの証拠書類がきちんと発行されていなかったり、紛失や隠ぺいがあったりすると、経営者はその取引があったことを知ることができません。かりにこれらのルーズな処理が経営者自身によってなされたりすると、その行為を見聞きしている一般社員が同様な行為を行い、大きな問題に発展しかねません。ルーズな現金管理は、たとえ小さな金額であっても、会社の経営の根幹を揺るがしかねない事態になりますので、日々きちんと管理をいたしましょう。税務署の調査でも、この現金管理がきちんとされていると俄然評価が上がります。

  1.  現金精算日を決め(最低でも週に1回くらいは必要です)、その日以外は原則として精算しません。領収証等の精算の受付も精算日の前日や前々日までとします。現金精算を終了したら、必ず毎回現金の帳簿残高と実際残高の確認(現金実差)を行います。
  2.  社員に現金を支給する場合は、現金支給袋を使います。支給日、精算日、金額、捺印欄のある表を作り、封筒の表面に貼ります(使い古しの封筒でかまいません)。精算金をいったん袋詰めすることにより、支給する現金と出金伝票の金額がそれぞれあっていることを確認できます。また、支給時に社員に押印させることにより受領証の役目も果たせます。
  3.  現金支払いの範囲を決めておきます。出張旅費など毎月定期的に発生する少額支払いにとどめ、その他の支払は銀行振込や自動振替にします。盗難対策になる上、翌月の資金繰りの目途がたてやすくなります。
  4.  手提げ金庫は鍵のかかる耐火キャビネットにし、現金の出し入れは出納担当者のみが行います。また、親睦会のお金など会社以外の現金は使い古しの封筒等に入れて、会社現金とは異なるものであることを明示します。
  5.  経理責任者は時々現金実査を行い、現金出納帳残高と実際残高が一致していることを確認します。出納担当者に心理的緊張感を与え、一般社員に対しても経費精算に対する厳しさを徹底させることができます。

2010年8月5日号(268号)

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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