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佐藤会計タックスニュース

vol.270 海外出張費用と消費税

 こんにちは。

 台風の影響で久々の雨ですね。日中の気温が30度以下になる日って何日ぶりでしょうか?暑さに慣れた体には結構涼しく感じます。本格的な秋の到来が待ち遠しい今日この頃です。

 さて、新聞では円高のニュースが連日取り上げられています。デフレ経済が進む国内だけでは業績の伸びが期待できないということで、地方の中小企業も中国やインドなどに展開する例が増えています。そこで今回は「海外出張に要する費用の消費税の課税仕入れの適否」について書かせていただきます。

【質問】

 事業として海外出張する場合、航空券の購入や海外での交通移動、宿泊等の手配を1.事業者自身が行う場合と2.旅行業者の海外パック旅行を利用する場合において、消費税の取り扱いではどのような違いがあるのでしょうか?

【回答】

 消費税ではいわゆる「消費地課税主義」を原則としています。これは消費地が国内であれば消費税の適用内であり、消費地が海外であれば消費税の適用外という考え方です。

  1. 事業者自身が行う場合

     成田や羽田などの国際空港に到着するまでの国内輸送(JRなど)に係る費用は、国内取引として課税仕入れに該当します。すなわち消費税の計算上控除できるということですね。

     国内→国外又は国外→国内への国際輸送(JALやデルタなどですね)は、輸出免税が適用されますので課税仕入れにはならず不課税取引となります。 また海外での移動に伴う輸送、ホテル等を国内及び国外のどちらで手配しても、役務(サービスですね)の提供の場所が国外になりますので、その費用は国外取引として不課税取引に該当し課税仕入れにはなりません。

  2. 旅行業者の海外パック旅行を利用する場合

     JTBなどの旅行業者が販売する海外パック旅行は、旅行業者と旅行者との間の包括的なサービスの提供契約に基づくものですので、そのうちの国内輸送又はパスポート交付申請等の事務代行部分は国内取引となり、その対価は課税仕入れに該当します。 しかしながら国内→国外、国外→国外、国外→国内への移動に伴う輸送、国外におけるガイドや宿泊に係る役務の提供は、国外取引になり不課税取引に該当します。

 *なお、法人税や所得税の計算では国外での取引も損金や必要経費になります。きちんと(ドルや元などの)領収書を保管しておくことが必要ですね。

2010年9月5日号(270号)

 文中、1. 2. の部分の原文は、それぞれ○付きの数字です。

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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